【価格】
¥ 610
【メーカー名】
文藝春秋
【カスタマーレビュー】
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■本書のテーマはというと生と死。
必ず起こりうる大切な人との別れ。
残されていく者の生き方。
もし、自分ならどう考えるのだろう・・・と
考えさせられます。
重苦しいテーマであるけど、読みやすく
根底には優しさが満ちあふれている1冊だと思います。
もし、この本を読んでみたい人は
自宅でゆっくり読んだほうがいいかも。
■「人の死」に正面から向き合い、関わる人々の心の揺れと心象風景を丁寧に、尊厳と優しさに満ちた視点で描いた珠玉の短編集。
過酷な現実、悲痛な叫び、やり場のない怒りや後悔、罪責感、そして全てを受け入れた後に訪れる穏やかな淋しさ、それらを抱えて「生きる」人々の物語が書き綴られています。
日常意識しなくとも「死」の運命は常に隣にあるもので、それをはっきりと意識させられた人々は、優しさ、謙虚さ、見ているのに触れているのに気づかなかった世界の美しさを感じ取る心の豊かさを、手にいれます。
「死」という体験を通してそれぞれの人々が辿り着いた心境は、苦悩や淋しさを埋め合わせて、それでも余りある幸福だったのでは、と思わされます。
残される人々は、それでも人生は続き、世界も変わらずにあり続けることを、罪悪感と共に受け入れざるを得ません。ですが、日常の中に辛い記憶や感情はもちろん、淋しさや後ろめたささえも薄れ、浄化されて行きます。
忘れていくこと、大切な人との思い出は美しさを増して残ること、これは神様が人間に与えてくれた最上の贈り物かもしれない、と感じました。
作品の中にもありますが、自らの死期を知り、大切な人の死期を知り、互いにかけがえのない時間を過ごせることは、残して逝く人、残される人どちらにとっても、確かに幸せかもしれません。
重松さんによって優しく美しく書き上げられた本作品を読み終えて、じんわりと涙しながら、そう納得させられました。
■形上は短編集。
でも、同書のタイトル『その日のまえに』短編に
そこまで綴られた短編内容が、かかわってくる。
悲しい出来事が起きているのに、
明るく気丈にふるまう姿勢が、余計に涙を誘う。
涙もろい人は、
家でこもって読むことをお薦めします。
■人間が生きることの意味や死ぬことの意味について書かせた場合、重松さんの右に出るものはいないのではないでしょうか?何故人間は死ぬのか?何のために生きているのか?その明確な答えが分からないからこそ人間は生まれた瞬間から死に向かって生きているのかも知れません。若くて死を迎える人もいれば長く生きすぎて苦労する人もいる。その人たちの苦しみや残された人たちの悲しみを重松さんならではのタッチで描かれています。多くの人の生と死についての短編集ですが、最後はそれが一つにまとまっていきます。まさに重松ワールドです。
■2006年 本屋大賞 5位
自分自身や、自分にとって大切な人を失う「その日」。
この作品は、「その日のまえ」から「その日」までの本人や家族を描いた連作短編集である。
言葉にしてしまうとありがちのテーマであるが、読者に「悲しさ」だけではなく、何かを考えさせる、その筆力には感嘆させられた。
私に取って、人に薦めたくなる本は年間1〜2冊だが、この本は、自信を持ってお薦め出来る作品である。特に30代から40代のかたは感情移入しやすい作品と思うのでお薦めである。
なお、この作品に感銘を受けた方は、「流星ワゴン」もお薦め。