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垂直の記憶―岩と雪の7章


垂直の記憶―岩と雪の7章 垂直の記憶―岩と雪の7章

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【価格】
¥ 1,575

【メーカー名】
山と溪谷社

【カスタマーレビュー】
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■数年前から山岳小説に興味を持ち、何冊か読んできましたが、久々に面白い山岳本に出会いました。
山野井泰史氏は、登山界では非常に有名な方です。

全編、興奮しながら一気に読了しました。
各章の間にあるコラムも、山野井氏の人柄や日常が垣間見え、温かみがありました。
文章が稚拙だと仰る方がいらっしゃいますが、本業がクライマーなのに、これだけの文章を書ける人がいるのだと、私はむしろびっくりしました。



■私はこの本を読み、幾つかの疑問点を感じました。クライマーとしてのプライド、価値観は人それぞれだと思いますが、自己満足でクライミングする人、或いは社会に自分の存在を知らしめる満足感でする人。様々、文中で苦労の末、下山し最終章での夫人を残し、先に自分が下山する。とありますが、その際に夫人の生きている姿を最後では無いかと写真に撮る行為はどうしても理解が出来ません。私ならば妻がその様な状態になってしまったなら、最後まで傍にいて付き添い下山に全力を尽くし、最悪の場合は一緒に死ぬことを撰びます。また、下山しギャルツェンに会えた時も作者は登頂した事を最初に伝えていますが、それも私ならば妻の救助が最優先ではないかと考えます。


■NHK「白夜の大岩壁に挑む〜クライマー山野井夫妻〜」を観て、山野井夫妻に興味が沸いて読んでみた。命をかけた、本当にギリギリのところまでいかないと、極限の登山はできないんですね。近くの山に登ることさえおっくうな私には考えられないが、山野井さんのように「生きること=登山」という人がこの世に存在することを初めて知った(笑)。

文章はプロと比べたら素人らしい拙さを感じるが、技巧がない分、素朴で力強い意思が伝わってくる好著だと思う。「ギャチュン・カン」のパートは沢木耕太郎の「凍」の方が迫力が伝わってくると私は思います。


■一つ一つの文章は短く、また決して情緒的ではなく、従って「味わいながら読む」という感じではありません。
しかし、ただひたすら、困難な登山に単独で挑むことを生きがいと選んだ山野井氏が、控えめに著した唯一の著作を読む機会に、私は巡り会えたのです。
きっかけは、ゴルゴ13の名作「白龍登り立つ」の登場人物隣隊長が、「極地方など登山家の恥だっ!!」と喝破する一方で「世界に評価された日本人が二人…
冒険登山家の山野井だ!」と認める人物。
どんなクライマーなんだろう、と思っていたのです。
口絵を飾る写真は著者自らが撮影した秀峰の数々。どれも息をのむほど美しい。
凍傷で指を失っても、「登りたい!」という情熱は冷めることがない。
私自身は決して登ることはありませんが、この世界をもっともっと知ってみたい、と思わされる一冊でした。


■現代生活とは離れた生活をされている、山野井夫妻。物がありふれている今だからこそ我がの生活を振り返ってみたらどうだろうか。また愛などという言葉ではくくれない夫婦の信頼関係、協力関係は読んでいて羨ましくも思えてくる。