着倒れ方丈記 HAPPY VICTIMS
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【価格】
¥ 3,360
【メーカー名】
青幻舎
【カスタマーレビュー】
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■ カメラは露出趣味と覗き見願望を満たす為の道具であるなら、この写真集は実に理にかなったものと言える。
四畳半風呂なしアパートに住まい、馬車馬のように働いても収入は雀の涙、うだつも上がらず恋人もなし(これは僕のことか)。狂わぬ方がどうかしているとばかりに、この写真集には服キチガイがぞろりと出てくる。高嶺の花と知りつつも、愛するブランドの為ならば全てを捧げる信者達。泣けてくる。これは叶わぬ恋の記録なのかもしれない。しかし、着倒れた痴れ者達は幸せそうだ。HAPPY VICTIMS(幸せな犠牲者)とは言い得て妙。彼らは今日も空寒い部屋で愛するブランドを抱いて眠るのだろうか。
最後のページが野田凪である。泣けてくる。シクシクと残された服達の衣擦れが聞こえてくるようだ。
■特定の洋服のブランドに対してまるで宗教の信仰のように殉じているような、なんともいえないものがある。
かつて私自身もセレクトショップでバイトしていたことがあり、独身の店長は給料の大半を費やし全身グッチ。
社員も手取り15万のうち14万を洋服に費やしている。
彼らはこの本に載っている人たちと同じような生活をしていました。
私も洋服が好きだったからバイトをしていたのですが、ものすごい違和感を感じました。
私は社員に「もっと洋服に金をかけなきゃ女にもてないよ」といわれたのですね。
確かに洋服に金をかけるのは異性にもてたいためだと思うのですが、その社員は別に女にもてまくっているわけでもないし、なんか手段と目的が間違っているんじゃないかと疑問に思ったのです。
冷静に振り返ってみると、洋服にこだわったところで女にもてたことはなかったのです。
その瞬間、時間をかけて稼いだ金をどぶに捨ててしまっていたことに気付き、猛烈な後悔をした経験があります。
この本に載っている人たちも同じような発想で洋服を買っていると思うですが、それはHAPPYのように見えるが、視点を変えるとカモにされているMISERABLEなVICTIMSに見える。
写真集としてはとても面白いですよ。
ただ過去の自分の体験がずっしりと重いものがあるので星三つです。
■長野県知事だった田中康夫氏がよく言っていましたね。本も音楽もファッションもレストランも同等であるって・・・
まさにその通り。
ここに載っている人の部屋を見るとすごく楽しくなります。妙にi macユーザーが多かったりするのを観察したり、ちらっと写っているインテリアや本棚をみてニヤニヤするのも自由。
写真は究極の「のぞき趣味」だから。
本当に面白い最高です。
■彼らを哀れむのは簡単だ。
曰く、住む家とファッションが合ってない、生活レベルと服への支出が合ってない、そもそも服が似合いそうにない、、、
生活全般の調和を美意識の基本とするなら、服なんて2,3着で十分生きていける。それが大人になるということだし空気を読むということだ。だが、なぜ大人になったり空気を読んだりしなきゃいけないんだろう。
好きなものに囲まれて暮らしたいと子供のころ誰もが夢見た。大人はよく夢を諦めるなという。ならば大人になんてならずに夢を失わない本書の主役達は、一つの理想を体現している。
彼ら彼女らは、それなしでは生きていけない。そのブランドを買い続けることが、自分の存在証明に他ならない。ブランドが自分の生理と化している姿は、典型的文化住宅の小さな部屋に同一ブランドの衣服が所狭しと並ぶ姿に仮託され、四畳半バロックともいえるグロテスクな魅力を不思議と生み出している。