芸術新潮 2010年 07月号 [雑誌]
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【価格】
¥ 528
【メーカー名】
新潮社
【カスタマーレビュー】
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■09年ようやく終了した金堂大修理がメインで写真・文ともにその話がほとんど。だが修理の話に関しては多分コレが写真も含め一番一般向けとしてはざっとわかりやすい。情報量も結構なもの。
金堂大修理Q&Aのカタチで仏像(三尊)部門を藤本青一(美術院国宝修理所所長)、建築(伽藍)部門を鈴木嘉吉(唐招提寺金堂修理専門委員会座長)が解説。
他に鑑真についての小論を専門じゃないけど上野誠(奈良大教授)、明治期の修理を中心に伽藍建築についての小論を井上章一(国際文化研究センター所長)が書いており、全体に文章部分は読みごたえある。(カッコ内肩書きは記事の時点のものです)
なおこれ以外の仏像や建築に関してはほとんどノータッチ。写真もほぼ金堂三尊、修理関連、境内風景のみ。トルソとかその他の菩薩像・四天王などの諸仏像(鑑真像の図版は1枚あり)、講堂など金堂以外の建築物などはナシ。たださすがに三尊の見開きなど、写真はなかなか。解体された千手・千仏・大屋根も圧巻。
トータルな唐招提寺情報が欲しい入門者の人はヨソを当たったほうがいいと思うが、わかりやすく見て楽しい唐招提寺金堂の本としてはお薦め。
■ 唐招提寺を訪れたのは2006年の2月でした。この時はちょうど金堂の大修理の最中で、
覆いに開けられた窓越しに中を垣間見ることしかできませんでした。この本を見ると、大
修理を終えた偉容だけではなく、過去の大修理の状況も図解で示され具に知ることができ
ます。
千手観音の手は本当に千本近く、それを展開し俯瞰した写真など、他では見ることがで
きないかもしれません。
現在我々が目にすることのできるのは本来の「天平の甍」ではないにしても、鑑真和上
の残した思いは通じます。実際にその場に行くことはできなくても、こちらの思いも馳せ
ることができるでしょう。
■古社寺を訪ねる旅をされる時、皆さんはどんな本をガイドブックとして利用されますか。
一般的な旅行ガイドでは物足りない。
かといって、難しい専門書を一からひもとくのも、なんだかめんどくさい。
そんな方に絶対お勧めなのが、「芸術新潮」の古社寺特集です。
建物や収蔵物の、「美術」としての魅力をただ語るだけでなく、それが成立するに至った歴史的背景まできちんと解説される編集内容は、まさに至れり尽くせり。
一冊きちんと読み通せば、いっぱしの「通」になった気分になれます。
さて、最新号の特集は唐招提寺。
大改修なったばかりの金堂が、もちろん、取り上げられる中心テーマですが、
いいですね〜。今回も充実してます。面白いです。
内容をちょっと紹介。
ずんぐりとしたごつい風貌の中にも、あの時代特有のおおらかさが漂う、国宝の金堂三尊。
その魅力が美しいグラビアでたっぷり紹介された後は、
唐招提寺と言えばもうこれはお約束の、鑑真和上。その魅力が新たな視点で語られます。
このあとがいよいよメインイベント。
金堂大修理のドキュメントが、建築編と仏像編の二章に分けて、詳細な写真と図版で解説されます。
これは本当に読み応えがあります。
何度か放送されたTVのドキュメンタリーでは、矢継ぎ早に繰り出される情報をうまく整理しきれなかった私の鈍な頭も、
雑誌なら、活字と写真と図版を自分のペースでゆっくり読み進むことができますから、非常によくわかるし、理解しやすい。
雑誌というものの良さを再認識させられました。
私は常々、「芸術新潮」という雑誌のいいところは、第一人者による最新の研究成果が、専門知識のない一般読者でもたやすく理解できる、楽しい読み物として提供されるところだと思っています。
今回の唐招提寺特集でも、その長所は存分に発揮されています。
ワクワクしながら読んでいるうちに、高度な知識が自然と仕入れられる。
そんな有難い本ってあまりありませんよね。
この本を読み終えて「通」になられたら、是非足をのばして奈良にお越しくださいね。
私もこの冬、久し振りに全容を現した金堂の晴れ姿を見届けに行くつもりです。